私たちは、JAFICA和文化研究会のメンバーです。日本の文化芸術・工芸品・設え・建築等は、一人ではなかなか理解を深めることが難しい分野ですが、インテリアの仲間同士で体感、学習、交流し、活かしていこうという研究会になります。
2023年度は、かねてより実現したいと考えていた和文化研究会で「お茶会体験を行う」ことができました。お茶は、日本文化や社会、そして何よりも建築、空間、住居にさまざまな影響を受けている総合芸術です。現代では形を変え、商業空間やオフィス空間で「カフェ」という形となり、私たちの暮らしに根付いています。
数百年前の戦乱の世、多くの茶人が茶道の礎を築き、今まで代々、受け継がれてきた文化「茶道」に、あらためて向き合ってみようという試みでした。メンバーの柳澤佐和さんが茶道の師範であったことから、だれでもできる体験を通じ、専門家の視点を交えてお茶の世界について語り合える場にしましょうと、「帝国ホテルの茶室体験会企画」に至りました。
帝国ホテルの東光庵は、皇居前の都心のホテル建物内にあります。まさに、外国からのお客さまが、東京にいながら気軽に、しかも本格的に文化を感じられるよう、お茶をいただくだけでなく、「自らお茶を点てる」、「空間やお道具、装飾について、現役の先生からお話が伺える」、最高の学びの場所でした。
今回、メンバーに加えて、4名の方にご参加いただき、最大人数8名で、お茶を頂いたのちに、それぞれがお茶を点て、全員で空間を満喫することができました。そして、何よりも体験中、体験後に、お互いにお茶との関係について語り合えたことが素晴らしかったと思います。
「お茶」は、「茶道」だけでなく、建築、設(しつらえ)、作法、着物、お花、庭(外構)など、さまざまなことが生まれるステージだという認識を持つことができました。現代にもっともっと活かせることがある皆で関心を持つきっかけになりました。今後も、一人ではなかなかできない体験と交流を実現し、JAFICAの良さを皆さんと共有したいと思います。ご興味のある方は、ぜひご参加ください。会員は随時募集します。(2023年度和文化研究会会員)